新月

黒い空だけ 目に映っている
何も無いような 新月のとき
肌寒くて 静かな夜
気づいてしまって 触れてしまった

ここにも一つ思いはかれない問いがある
いつだって問いが生む矛盾は内包する
ほんの少し触れてみたい ほんの少し触れてみたい
初めはそれだけ

くるくると回る楕円が巻き込む布キレ
それほどちっぽけな存在であるはずなのに
信じきって疑わない 信じきって疑わない 決して誰も

新月の夜に真実に触れた

純然たる円に触れたとき
世界は灰になってしまった
色もなく脆く儚いもの

例えようもないほど純粋
だからそれをなんなく理解する
わかった後この身も指先から灰になって
世界と共にボロボロと脆く崩れゆく
愚かにも消えながらふと考えてしまった
それならこの意識とは何だったのだろうかと
空の果てに 届きそうもなく あるはずなのに いつの間にか

新月の夜に真実に触れた

純然たる円に触れたとき
世界は灰になってしまった
色もなく脆く儚いもの



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